2009年1月5日(月) <BT58日目>
久々の更新です。
9Wを過ぎた頃から、つわりが更にひどくなって、
安静指示とは別の意味で、ほぼ1日寝たきりでした。
クリスマスも年末も正月もなく、ベッドにじっと横たわったまま、
暦は2008年から2009年に変わってしまいました!
症状は少しずつ楽になってきているようですが、(そう思いたい!)
まだ家事に復帰できそうにありません。外出も怖いです。
そして・・・
もうかれこれ11Wに入らんとしているのに、まだクリニックを卒業していません。
前回の診察で卒業するかも・・・と思っていましたが、
胎児の“頚部のむくみ”が見つかりました。
「胎児頸部浮腫」
これは、循環のアンバランスによって首の後ろに生じる皮下浮腫なんですが、
浮腫みの厚さにより、ダウン症など染色体異常の可能性が推定される・・・
とも言われています。
そのことは、院長先生からもはっきり指摘されました。
仮に、浮腫みの厚さにより、
グリーン(安全)ゾーン ・ イエロー(要注意)ゾーン ・ レッド(警告)ゾーン
という分け方があるとすれば、私の場合はイエローゾーンに入るようです。
院長先生の診察は以下の通りでした。
浮腫みの見極めは、11~12週くらいにする。
経過を見届けてから、紹介状を書く。
次の診察で浮腫みが小さくなっていればいいけど、
もしも大きくなってたら・・・羊水検査はした方がいい。
浮腫みが全身にまわって、最悪の場合、心拍が止まることもある。
検査や検診、いろんなことを考えて、
転院先は力のある病院を選んだ方がいい。
「どこか転院先決めてるの?」と聞かれ、「〇大学付属病院に予約を取りました」
と言うと、「うん、そこやったら、いろいろ対応できるやろ・・・」と院長先生。
「いろいろ」の中に何が入っているのか・・・?
万一の為にと思って決めた総合病院。
でも、こんなことで太鼓判をもらうつもりで選んだわけでは・・・。
ただし、「頸部浮腫」イコール「染色体異常」と決まっているわけではなく、
あくまで可能性があると指摘されているだけです。
実際、浮腫みの厚さがレッドゾーンであったとしても、
何の問題もなく生まれてくる赤ちゃんはたくさんいます。
逆に何の問題も指摘されないのに、産まれてから染色体の異常が分かることも。
しかしながら、「胎児頸部浮腫」、そして「羊水検査」という言葉は、
私の心を激しく揺さぶりました。
この診察から後に思ったことを・・・これから記しておきます。
考えは、これからの診察や時間の経過と共に変わるかもしれませんが、
この数日間考えたことを残しておきたいと思います。
胎児頸部浮腫は、30歳過ぎくらいまでの妊婦さんには、あまり見られないそうです。
ところが30代半ばを過ぎると増えて、年齢と共にリスクは高くなるようです。
年齢と共にリスクは高くなる・・・
頸部浮腫だけでなく、いろんなリスクが。
子供が欲しいと望んだときに、このことを考えなかったわけではありません。
例えば、「母親の年齢とダウン症出産の危険率」など、
若い妊婦さんと比べたときの確率の高さは、数字になってはっきり表れています。
胎児の心拍が止まるという、悲しい確率もまた然り・・・。
高齢出産のリスクを考えなかったわけではない、と思ってきたけど、
しかし、覚悟ができていたのか・・・というと、
できていなかったようです。
だから、こんなにも心が揺れる。
私は、体外受精の治療でいい卵が採れず、採卵を繰り返しました。
何度も何度も。
いい卵が採れない・・・
そのことが何を語っているのか?
治療に夢中になるあまり、考えようとしなかったのではないか?
私は不都合な将来から目をそらしていたのではないか?
その結果が、
もう超音波の写真で、頭やアンヨがわかるくらいになった赤ちゃんを、
命の危険にさらしている。
そう思うと、こみあげるものを抑えることができませんでした。
若い妊婦さんだって、もちろん多少のリスクは抱えています。
ただ、統計的にあきらかに高いリスクがあると指摘されている状況で、
それでも産みたいと願い、
夫婦の幸せの追求だと信じていた気持ちは・・・
エゴではなかったか?
その問かけを夫にもしました。
夫の答は、
「命を落とすようなことは避けられると信じている。
そう信じてあげられるのは自分たちしかいない」
質問の答にはなっていませんが、夫らしい答にホッとしました。
浮腫が見つかった診察日の翌日から、胃がきりきりと痛みだし、
どうして?と思いつつも、
これは心の痛みなんだろうなぁ・・・なんて思いました。
移植から今日まで約2ヶ月、
先に進んでこられたことに、大きな喜びを感じています。
でも同時に、気持ちがくたくたに疲れてしまいました。つらかった。
診察の度に、赤ちゃんの成長について、問題が指摘されていました。
数値が低いとか、成長が遅いとか、心拍打ち始めるのが遅い、などなど・・・。
年齢のこともよく指摘されました。
一度も先生から「まぁ、いいでしょう」とか「標準です」というような
言葉を聞くことがなかった。
そして卒業前に「浮腫」・・・。
いつまでたっても綱渡りをしているようです。
自分では前向きにがんばってきたつもりでも、
すごい緊張感で、いつしかくたくたになっていました。
今は、一度振り返って、気持ちを立て直す時期なのかもしれません。
また前に進む力を養う時期・・・。
いろんなことを超えて、ようやく親になれるのかもしれませんね。
そして、私がいくら“くたくたになっている”としても、
今は考えがストップしてしまったとしても、
どうか、どうか夫を父親にしてください!と、
願わずにはいられません。